マイナス金利に期待すること

最近の経済でもっぱら話題になっているのは、日銀が導入したマイナス金利です。
私が高校や大学では、金利を下げられるのはゼロまでと学びました。
金利がマイナスになるなんて、考えもしませんでした。

マイナス金利ってよくわかりませんが、イメージとしては、預金には通常利子が付きますが、それが預金すると反対に手数料が取られるってところでしょうか。
マイナス金利になるのは、私たちの預金ではなくて、銀行が日銀に預けているお金です。
ですが、今後私たちの預金にもマイナス金利が導入されるかもしれません。

私たちの預金はマイナス金利にはなっていませんが、それでも私たちにもその影響はあります。
その一番は、やっぱり金利が低下するということでしょうか。
マイナスとは言わなくても、ただでさえ低い今の金利がさらに下がることでしょう。
金利が下がるということは、預金金利だけじゃなくて 住宅ローンなどの金利も下がるので、良し悪し両方あります。

その他には、円安株高になるとか(なってませんけど)、銀行の手数料や保険料が上がるとか言われています。
銀行や生保損保は、金利の低下で利益が減ることが考えられるため、その分を賄うために手数料等を上げてくるということです。

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マイナス金利の導入は、金融業界にとっては試練といえます。
金利の低下で金利収入が減るので、運用力がかなり試されます。
これまでは、銀行は私達から預かったお金を日銀に預けるだけでも、儲かっていました。
例えば、普通預金の利息が0.02%だったとすると、日銀の当座預金利息が0.1%ですので、その差5倍です。
ただ預けるだけで、運用益が上がるので、こんな楽なことはありません。
実際に日銀の当座預金残高は近年増加の一途をたどっています。
2016年1月現在で約250兆円となっています。

マイナス金利が付されるのは、日銀に新規に預け入れした分だけのようです。
それもこの先どうなるかわかりませんが、それでも新規分はマイナス金利となるわけですから、銀行は日銀ではない新たな貸し出し先を探さなければなりません。
ただ預けている時には運用力も何もいりませんけど、貸し出しをするとなるとそうはいきません。
回収見込みがあるのかをちゃんと見極めなければなりません。
その力を培ってきたところは生き残れると思いますけど、サボっていたとしたら、そういう銀行にはゼロ金利政策よりももっと厳しい時代になっていくと思います。

同じ話は生保損保会社にもいえます。
保険会社は顧客からの保険料を国債で運用しています。
その国債の金利収入が減っていくのですから、新たな運用先を見つけなくてはなりません。
運用力が試されます。

◆◆◆

私は、試練は悪いことだと思いません。
いいところは残り悪いところは消える、こういう自浄作用は必要です。
どんなことでも、ずっといい時期が続くことはありません。
浮き沈みしながら、淘汰されることは重要です。

今回のマイナス金利でもそうなることを期待します。
金融業界って業界の特質で、そうなってこなかった側面があるので。

現場からは以上です。

ありがとうございます。
TatsuruHonda

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