マンション傾斜問題から思うこと

最近ちょっと気になったニュースは、横浜市のマンション傾斜問題です。
基礎層に打ち込まないといけない杭が、その基礎層まで届いてなかったっていう問題です。
マンションは分譲だったようで、簡単に引っ越すというわけにもいきません。
販売した三井住友不動産レジデンシャルは、全棟建て替えると言っていますが、それも住民の5分の4が賛成しなければいけません。

無料で建て替えてくれるなら、絶対賛成するでしょって私は思ったんですけど、建て替えるとなると、最低でも2回は引越しをしなければならず(建て替えるために出る1回と、建て替え後に戻る1回で計2回)、それを負担に感じる人もいるようです。
また、三井住友不動産に対して不信感を持った人もいるでしょうし、建て替えられても住みたくないって思いますよね。
理由はどうあれ、建て替えるくらいなら、買い取ってもらって、他に移り住んだほうがマシって思う人がいるってことです。

どっちにしろすぐには答えが出ないでしょうし、問題の長期化は避けられそうにありません。

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杭打ちを行った旭化成建材の記者会見で、データの改ざんを行ったとされる社員の印象について、堺正光取締役常務執行役員が以下のようにコメントしています。

「ヒヤリングしてみて、物言いや振る舞いからルーズな人間だとは感じました。事務処理とかは苦手そうだという気がした」

ヒアリングした印象ですので単なる主観でしかないんでしょうけど、私はこれを聞いて、会社に責任はなくて、この社員が問題だって言いたいんだろうなと思いました。
てか、先入観ありありの結果論じゃんとも思いますね。

もちろん、会社に責任がないってことにはならないと思います。
ただ、それだけで事態が収まるのかってのも甚だ疑問です。
というのは、これは、氷山の一角でしょって思うからです。

問題の社員の方は、キャリア15年だったようです。
ひとつの業界に15年もいればもうベテランです。
その業界のやり方や特有の風潮に至るまで、だいたいのことはある程度理解していると思います。
その中で起きた問題ですので、データの改ざんがあったのはこのマンションだけじゃないかもって思いません?
それに、この社員だけがデータの改ざんを行っていたとも思えません。
もっと言えば、これは旭化成建材だけの問題じゃないですよね。

問題の原因はコストの極限までの削減や人手不足などが言われています。
これからさらなる調査と実態解明に向けた取り組みがされていくんでしょうけど、一番大切なのは、再発防止をいかにするかってことだと思います。
その結果によっては、販売価格の上昇ってことにもなるんでしょう。
今までが異常だったのですから、これはある程度受け入れるべきことです。

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そして、こういう問題が起こると、たとえ価格が上昇しなくても、マンションを買うのを躊躇する人も出てくるでしょうし、今マンションを持っている人も、対岸の火事じゃないと思う人もいると思います。
戸建かマンションかって議論や、持ち家か賃貸かっていう議論が再熱しそうです。

と言っても、この手の議論はもうされ尽くしていますし、結局のところ、本人がいいと思う方にするのが一番だと思っていますけど、持ち家ってやっぱりリスクが高いよねってのが私の考えです。
そう感じるのは、私が賃貸派だからかもしれませんけど。
どっちがいいのか、もう一度考えてみるのもいいのではと思います。

現場からは以上です。

ありがとうございます。
TatsuruHonda

 

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